こんにちは
なおちんです。
私は某自動車保険の初期対応班で働いています。
よくある物損事故の中で困るのが、
【マンションの駐車場で無人駐車中の車にぶつけた物損事故で警察を呼ばない】
というケースです。
無人駐車中の物損事故はどう頑張っても相手に過失のない、いわゆる”100:0”の事故になります。
被害者は損傷が軽微であればできれば大ごとにしたくないのか、警察を呼ばずに対応しようとする人もいます。
加害者としては相手(被害者)の要望に応えなければと思い、全て相手のいう通りにしてしまいがちですが、たとえマンションの駐車場であろうがスーパーの駐車場であろうが、物損事故を起こしたら警察を呼ぶべきです。
今回は
・マンションなど公道以外でも物損事故は警察を呼ぶべき理由
についてご紹介します。
目次
マンションなど駐車場の事故であっても物損届けはしておくべき。
よく、
『敷地内だから警察は呼ばなくていい』
『大した事故ではないから警察は呼ばない』
という方がいます。
確かに軽微な事故であれば「大げさにしたくない」とか「警察がくると手続きに時間がかかるから面倒」と思っている人もいるかもしれません。
ですがどんなに軽微でけが人がいなくても、事故を起こした際は必ず警察を呼んで物損事故の届出の手続きをしましょう。
特に加害者の場合は絶対に警察へ物損事故の届出を行いましょう!
そうしないと、後で大きなトラブルに巻き込まれる可能性があります。
なぜかというと、物損事故の届出がなければ”公的な処理をしていない”という形になります。
そうなると、駐車場内の物損事故でもお互いに過失が出る物損事故の際、過失割合を決める時にもめる可能性が出てきますし、100:0事故でもトラブルになる可能性があります。
実際にあった駐車場内の物損事故のトラブル
警察へ物損事故の届出をしていないと、後から問題になるケースがあります。
まぁ、対物保険の免責がなくて無制限であれば契約者はあまり痛くないのですが、気持ち的にモヤモヤする事があります。
では私が対応した警察への届出のない物損事故のトラブルについて2つのケースをご紹介します。
ケース1:相手の修理費用が明らかにおかしい
これは相手の車が自宅マンションの駐車場で停めていた時、あやまってぶつけてしまった時のことです。
契約者は100:0になるとすでに理解していたので、警察への届出はしませんでした。
契約者が相手(同じマンションの住人)への謝罪の際、手続きが面倒だから警察は呼ばないでほしいと相手から言われたため、保険会社の受付に連絡がきた時には物損事故の届出はされていませんでした。
ちなみに相手の車の損傷はフロントのバンパーに数センチの擦り傷が付いた程度で損傷は軽微でした。
契約者も大した事がない傷なので保険を使わないかもしれないと言っていましたが、後日修理費用の請求がきた時に契約者は後悔したそうです。
修理費用28万円…
一般的にバンパーの擦り傷程度であれば数万円ですみますが、相手はここぞとばかりにバンパーを新品に交換し、フェンダーやフロントグリル、ボンネットの傷など、今回の物損事故に関係ない所まで全て修理して請求してきたのです。
これには契約者も驚いて保険会社に相談してきました。
もちろん保険会社としても、今回の事故と無関係な部分まで保険で対応する気はありませんが、警察への届出がないので交渉に時間がかかってしまいました。
契約者としては納得できないと憤慨しますが、そもそも警察へ物損事故の届出をしていればこんな思いはしなかったでしょう。
ケース2:スーパー駐車場内の物損事故。めんどくさくて警察届けをしなかった人の末路。
これもよくあるのですが、スーパーなどの駐車場内の事故も結構あります。
駐車場内は公道ではないので警察の届出をしないで示談で済まそうとする人もいます。
このケースは双方駐車場の通路ですれ違い時にミラー同士が接触したという事故です。
駐車場内のすれ違い時の事故は過失割合は50:50が基本になりますが、警察を呼ばなかったため、後になって相手が「止まっていた」と主張しはじめたのです。
お互いの言い分が正反対の状態で警察の届出もなかったため、公式な書類がなく、交渉に時間がかかってしまったというケースです。
後日でも物損事故の届出は可能。
軽微な事故の場合、警察を呼ばずに相手と示談をする事がありますが、警察への届出をしていないと後から双方の主張に食い違いが出てきた場合、示談が長期化する恐れがあります。
万が一、すぐに警察に届けを出せない場合、後日提出することも可能です。
保険会社としても交渉が長引くことはメリットがありませんし、契約者側としても、いつまでも心配な日々を過ごすことになります。
自分を守るためにも駐車場内の物損事故でも届出は必須!
マンション駐車場やスーパーの駐車場内での物損事故事故の場合、警察への届出は必要ないと思うかもしれませんが、事故を起こした場合の警察への報告は運転者の義務です。
また、警察の調書作成などで時間がかかるかもしれませんが、自分の身を守るためには物損事故の届出を行うようにしましょう。
当日が難しければ日を改めて届出をしても大丈夫です。
もし、相手が物損事故の届出を拒むようであれば、写真と音声が残っていれば後になって主張が変わっても証拠として採用される可能性がありますので、接触時の状況や損傷部分をスマホで撮影した上で、相手との会話を録音しておくようにしましょう。