こんにちは
管理人のなおちんです。
私は現在は某自動車保険の初期対応部署に在籍しています。
毎日様々な事故や故障が全国で起こっていますが、
毎年高い保険料を支払っているのに、いざという時に保険が使えない。
つまり”無責”という残念な事故や故障が時々あります。
(まぁ、そんな時は部署の上司が笑っているんですけど…)
そんな案件に当たると
「あなた、今回保険使えませんよ」
という死亡宣告をすることになります。
契約者目線で考えると「おまえら保険会社は詐欺か!」と思うこと間違いなしです。
個人的にもそう思います。
今回は
・保険会社が詐欺まがいだと思う理由
について私の見解でご紹介していきます。
目次
個人的に自動車保険は詐欺に近いと思ってます(笑)
自動車保険に限らず保険会社は詐欺に近いと思う理由は『使いたくても使えない』事があるからです。
せっかく高い保険料を支払っているのにあれこれ条件が揃わないと適用にならない保険って果たしてどうなんでしょ?
【自動車保険が詐欺だと感じた私の実体験】
私は過去に愛車のバイクのバッテリーが上がってしまったので、購入店までバイクのロードサービスを使って搬送してもらおうと代理店に依頼しました。
以下代理店の担当者とのやりとり
行きつけのバイク屋まで3キロくらいあるんですけど…
できなくはないけど、リコールかかってるからついでに見てもらいたいんですが…
じゃあ、こっちで手配しますのでしばらく待ってください…。
それから1ヶ月が過ぎても連絡が来なかったので、直接ロードサービスに連絡して運んでもらいました。
その後代理店から連絡が来たので一言
といったほろ苦い経験があります。
北海道でバイクに乗れる期間は短いのに1ヶ月も待ってしまいました…
本当に代理店は役立たずですな!
このように、自動車保険を契約していて、使えるはずのサービスなのに渋るっていうのはどうかと思いますね。
結局、保険会社はかかる費用を安くおさえたいんです。
年間の保険料は高いけど、使う機会がなかなかないのが保険ですし、万が一の時に「入ってて良かった」と思えるのも保険です。
ですが保険会社としてはなるべく保険は使ってもらわないようにしたいと考えてます。
特に如実に現れているのが次の2点ですね。
1、回りくどい言葉で混乱させる約款
自動車保険に限らず、全ての保険には”約款(やっかん)”が存在します。
これは保険金が支払える場合(有責)と支払えない場合(無責)の条件、有責の時の保障内容が細かく書かれています。
あなたはこの保険契約の約款を全て読んだことがあるでしょうか?
おそらくないでしょう。
もし近くに約款があるのであればぜひ開いてみてください。
間違いなく
「こんなん全部読めるか!」
ってなります。
約款は細かい文字でびっしり書かれていて、しかもその内容は1度や2度読んだだけでは理解が困難な言い回しで書かれていて、まるで六法全書のようです。
保険会社はこの理解困難な約款を契約者に渡して、予防線を張っていると言っても過言ではありません。
自動車保険の場合、事故や故障の際、この約款の内容をもとに有責・無責の判断を行います。
もし無責(保険が使えない)時には約款の内容をもとに契約者に告知します。
契約者側にとっては使えると思って連絡したのに使えないとなると「詐欺だ!」と怒るかもしれません。
でも約款に書かれていることなので論破できます。
つまり「約款にしっかり書かれてますよ。知らなかったのは約款を読んでいないあなたの責任ですよね?」と言えるようにしているのです。
やたらと条件が厳しかったりする
こちらもよくあることなのですが、「ロードアシスト」というサービスがあります。
これは事故や故障の際、修理中の代車を貸し出す特約ですが、有責条件がややこしかったりします。
ロードアシスト系の特約の有責条件に”走行ができない”+”レッカー搬送”が条件の場合が多いのですが、これを知らずに「なんとか自走して修理先に着いたので代車が欲しい」という方がいます。
残念ながら自走して修理先に入庫した場合は無責になる事がありますので、この場合は代車の特約が使えないです。
契約者は条件を知らないので「そんな事聞いてない!詐欺じゃないか!」と怒るんですが、実は約款に書かれています(回りくどく)。
個人的に自動車保険はサービスをフルで使うべき。そのためにおさえておきたい3つのサービス。
このように、保険会社は保険料だけもらって万が一の時の費用は出来るだけ出したくないというのが基本スタンスです。
「代理店の担当者に任せてる」
という人もいますが、ハッキリ言って代理店の担当によっては商品知識に乏しい人もいますので、100%任せっきりにするのはおすすめできませんよ。
万が一の時に保険のサービスをフルで使うにはあなた自身がある程度の知識を持っていないとダメです。
くどいようですが保険会社はお金は出来るだけ出したくないんです。
といっても約款を熟読したり、常に約款を持って歩くわけにもいかないので、ここでは”自動車保険のサービスで最低限確認しておきたい3つのポイント”をご説明します。
私が実際に対応している事故や故障でよくポイントになる部分ですので、ぜひあなたの契約を確認してみてください。
1、ロードサービス系特約
事故や故障で自走できなくなった場合に使われます。
主に現場から修理先までのレッカー費用を保険で支払ってくれるサービスです。
ここでのポイントは
「保険で支払ってくれるのはレッカー費用だけではない可能性がある」
という点です。
保険会社によっては、レッカー費用の他に、現場から目的地までの移動の費用(タクシーや公共交通機関)、中には修理が終わった時の車の引き取りにかかる費用も支払ってくれる事があります。
保険会社によってサービス内容、費用の上限が違う事がありますので、ロードサービス系の特約内容、有責条件はしっかりと覚えておくといいです。
2、代車の特約
ロードサービス系の特約と合わせて利用されるのが”代車の特約”です。
事故や故障であなたの車が動かなくなった時にレンタカーを使用した場合、レンタカーの費用を保険で支払ってもらえるサービスです。
代車の特約の確認ポイントは次の3つです。
- 適用条件(有責条件)
- 代車の日額
- 最大利用日数
前述しましたが、代車の特約は有責条件(”走行ができない”+”レッカー搬送”など)がありますので、この適用条件を理解しておくことはとても大切ですよ。
ほとんどの保険会社の場合、一般的な契約であればロードサービス系の特約は自動で付いているのですが、代車の特約はオプションです。
ですので契約によっては代車の特約が契約されていないという事もありますので、あなたの契約をしっかり確認しておきましょう。
3、車両保険
車両保険は万が一の事故の時、あなたの車の修理に使う事ができます。
車両保険の契約の確認ポイントは次の3つです。
それぞれ補足して説明していきます。
- 支払額の上限
車種や年式などによって保険金の支払い上限があります。
これは”レッドブック”という車種別の時価額(価値)の一覧が載っている本を参考に決められます。
なので古い車は保険金の上限が低い場合があります。 - 有責条件
車両保険の契約によっては車両保険が使えない場合もあります。
例えば”車同士の事故のみ有責”という契約もありますので、この場合は自損事故(物にぶつかって壊れた事故)は使えません。
- 免責額
免責額とは保険金の支払い時に契約者が負担する金額です。
よく”免責0−10”とか”免責5−5”とかいう契約をしている場合です。例えば”免責0ー10”の場合、1回目の事故の場合は負担無しで修理できますが、同一契約期間で2回目以降車両保険を使う場合は自己負担10万円がかかるという事になります。
修理費用によっては保険が使えない。保険を使わない方がいい場合もあります。
また車両保険は任意になりますので、契約自体ない場合もありますので、もう一度あなたの契約を確認してきましょう。
まとめ:自動車保険は詐欺みたいなもの。使えるものは最大限活用しないと損しますよ。
万が一の時の為の自動車保険ですが、使えるタイミングを知っておかないと、宝の持ち腐れになりますし、場合によっては自分で使えなくしてしまう事もあります。
また保険会社は高い保険料をもらってるわりには実際契約者が困っている時に使えない(使わせない)なんて事もありますから、ハッキリいって詐欺まがいと思うかもしれません。
保険会社のスタンスは『貰うものはたくさんもらって、出すときは最小限』ですので、自分の契約してる自動車保険を最大限活用するには自分の契約内容を把握しておきましょう。
今回紹介したポイントが、実際の事故や故障でよく使われる契約になりますので、あなたの契約内容、適用条件を把握しておくようにしてくださいね。
【自動車保険は最大限活用するためには次の3つのポイント】
- ロードサービス系
- 代車の特約
- 車両保険
この3つの適用条件、契約内容を理解しておけばだいたいOK!
『そもそも自動車保険の契約内容を見直したい』という方はネット見積もりがおすすめですよ。
みなさんも詐欺にあわないように気をつけましょうね。